令和4年4月23日(土)第112回秋田県眼科集談会が開催されました(印象記)

 令和4年4月23日土曜日、令和4年度秋田県眼科医会定例総会および第112回秋田県眼科集談会がにぎわい交流館多目的ホールにて開催されました。
 特別講演1は、<前眼部疾患の診断と治療>について近畿大学眼科学教室教授 江口洋先生にご講演いただきました。江口先生は私達が日常診療で遭遇する角膜疾患を中心にわかりやすく説明してくださり、特に非感染性と感染性角膜疾患の鑑別については大変興味深いものでした。感染性疾患の場合は病巣(膿瘍)以外の角膜に浸潤や浮腫などの異常所見があるかが非常に重要なポイントであるということで、明日からの私たちの診療に大変役立つ内容でした。また真菌による角膜疾患では塗抹標本が確定診断に非常に役立つことも症例提示で感じました。フサリギウムやアスペルギルスなどの真菌は難治性で、ステロイドを最初に投与してしまうと治りにくくなること、アジスロマイシン点眼液が眼瞼炎疾患に効果があることなども教えていただき、勉強になりました。
 特別講演Ⅱは、<糖尿病網膜症~治療の進歩~>について香川大学眼科学教授 鈴間潔先生にご講演いただきました。鈴間先生は、糖尿病網膜症の治療について詳しく教えてくださり、糖尿病黄斑浮腫に対して積極的に抗VEGF療法を選択・継続する症例として、血糖コントロール不良(7.5%以上)の例、インスリン導入をしたばかりの例、中心窩に硬性白斑が出現している例、Last eye例、視細胞がそれほど悪くないのに視力が不良な例などがあげられるとのことでした。また硝子体手術に踏み切るタイミングでは、血糖のコントロールが安定している時に行っており、また術前に後極部の毛細血管瘤をOCTでの浮腫の程度を見ながら事前にレーザーで処置していらっしゃるとのことでした。
 どちらのテーマも日常診療で身近なものであり、本日も大変勉強になる内容となりました。
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