令和4年12月11日(日)<第113回秋田県集談会>が開催されました(印象記)

 令和4年12月11日 第113回秋田県眼科集談会がホテルメトロポリタンにて開催され、現地開催30名Zoom視聴15名の盛況な会となりました。COVID19による感染への対策がひとまず落ち着き、今回は特別講演2題に加えて秋田大学の松田先生からの発表も行われました。

 松田先生は、「秋田大学眼科学講座の取り組みと研究」としてBrolucizumab(ベオビュ)が著効であったAMD/DMEの症例について発表しました。他の抗VEGF抗体の硝子体注射を行うも浮腫を改善することができなかったAMD2例、DME2例においてBrolucizumabを投与したところ、明らかに浮腫の改善を認めたという報告でした。DME症例では硝子体手術後で抗VEGF抗体のクリアランスが亢進され治療効果が減弱するのではと考えられるはずだがBrolucizumab投与によって浮腫が軽減したことは非常に興味深いと考えられました。

 特別講演1は形成外科から眼形成科となった日本医科大学講師 村上正洋先生の「眼瞼形成手術~形成外科の視点・眼科の視点」として眼瞼下垂について講演をしていただきました。村上先生は形成外科医としての半生を振り返り、眼形成医となった今のご自身の目で形成外科と眼科としてそれぞれ見ているポイントの違いをお話されました。眼科は眼瞼を視機能を正常に保つために下垂の手術を行い、形成外科は眼瞼を顔のパーツの一部として下垂の手術を行うという視点になるほどと感心させられました。

 特別講演2は自治医大眼科学教室教授 川島英俊先生の「ぶどう膜炎診療のNew normal」としてぶどう膜炎診療の講演をしていただきました。はじめにぶどう膜炎を取り巻く変遷について、その後私たちにぶどう膜炎の基本的な知識を教えてくださいました。次に症例提示があり例えばヘルペスと思われたが2週間後のPCR検査でアスペルギルスが検出されたウイルス+真菌感染や培養でカンジタが検出されてPCRではバクテリアが見つかった細菌+真菌感染などが提示され、PCRの有用性を感じさせられました。

 これらの発表・講演は私たちの日常診療のエッセンスとして大変有意義なものでした。次回の集談会もより良い会となることを願いながらの閉会となりました。

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